今シーズンは新しいテントを購入してテント泊の登山をしました。
購入したテントはヒルバーグのルーガン(HILLEBERG ROGEN)という3シーズン用のモデルです。
【購入】
最初は人気の軽量モデルを購入しようかと思ったのですが、生地や部品の耐久性が気になって見送り、無難な安定のロングセラーモデルにしようかとも思いました。
しかし、今回購入するのは3回目。次に購入するのはそれなりにこだわったものにしたいと思うようになりました。
そんなときに目に留まったのがヒルバーグのテントでした。
フライにポールを通してインナーが一体となっている一般的なドームテントとは違う構造。最初に購入したシェラデザインズの吊り下げ式テントは気に入っていましたが、雨の日の設営や撤収時にフライを先に張ったり、インナーテントを先に収納したりできないものかと考えていました。ヒルバーグのテントはそのときに考えていた形態とは異なりますが、そのときに求めていたものにかなり近いものでした。
しかし、通常のテントの倍近くする価格は明らかに予算オーバー。しかし、ショップで張ってもらって、説明を聞いていると、このテントが欲しいという気になりました。生地などの耐久性(丈夫さと加水分解しにくい素材)を考えると、そんなに思うほど高くはないのではないかとも思いました。ホームページの説明を見るとヒルバーグのこだわりと製品のよさがわかります。
購入対象に考えていたのは、4シーズンモデルのUnna(ウナ)か3シーズンモデルのROGEN(ルーガン)でした。カタログ値ではそれほど気になりませんでしたが、ショップで持ち比べてみて、体感的に重量差が大きく感じられたため、ルーガンを選びました。ルーガンは出入口がメッシュで国産のテントのようにメッシュパネルを覆うカバーがついていないことがネックでした。今まで使っていたテントからすると信じられないくらいの感覚でした。しかし、残雪期でも使っている人のブログ記事を見たり、冬でも使うという店員さんの話を聞いて使ってみようかと…ちなみに店員さんからは寒さの感じ方は個人によって違いますからと、念を押されました。
【使ってみて 初回】
初めての使用は8/18-21の立山、雷鳥沢キャンプ場での3泊でした。
設営は基本的にインナーテントと一体になったフライのスリーブにポールを通して立ち上げるだけです。フットプリント(グランドシート)も四隅に固定して一体化できます。
出入口、前室は両面にあります。一人で使うには無駄にでかいという気もしますが、この後の混雑したテント場では人が通る出入口に使った方とは反対側の前室でストーブを使いました。
アウターとインナーの間の空間はわりと広めです。インナーテントが黄色のせいか、ここにハエなどの虫が入ってしまい気が滅入りました。撤収時にはどうしようかと思いましたが、雨だったせいか虫はいなくなっていました。雨だと留まっていてもおかしくないような気もしますが…
ちなみにヒルバーグのテントは風に強く、強風時はインナーテントがポールとつながっていないため、それほど揺れないようです。強風は体験できませんでしたが…
前室は、フライを張り出すための短いポールのため、わりと広めだと思います。快適とまでは言いませんが、十分、調理できる広さがあると思います。
室内は二人用だけあって、一人だとザックの中身を広げて快適に過ごせます。二人の場合は、一部の荷物を前室に出したくなるかもしれません。そんなときは二つある前室は便利ですね。
気になるメッシュの出入口ですが、夜に寒さを感じて何度か起きました。しかし、シュラフの中はそれほど寒くてしょうがないという感じではなく、そのまま寝てしまいました。朝起きてマットレスを見るとディンプルの中に水が溜まっていました。以前にテント泊したときはこんなことはなかったので、かなり温度差があったのかと驚きました。
最後の夜は雨でした。けっこう降っていたようで、平らな場所に設営して特に対策もしていなかったため、ちょっと心配でしたが、なんの問題もありませんでした。
小雨の中、濡れたテントを撤収するのは気が滅入りますが、ポールを抜いて畳むだけなので意外と楽な作業でした。しかし、ザックへの収納は小雨程度でよかったと思いました。本降りだったらどうしたものか…
【使ってみて 二回目】
二回目は9/19-22、妙高へ行きました。初日は笹ヶ峰キャンプ場で泊まりました。
フットプリントも取り付けて収納しておいたので、広げてポールを通して立ち上げるだけです。
広いキャンプ場なので大きさも気になりません。混雑したテント場では、片方の前室は張り出さずに張れるといいのですが…
テントの中に灯りをつけて星空を撮影してみました。
2泊目、3泊目は高谷池ヒュッテのテント場です。笹ヶ峰からはけっこう急登なところもあって、ザックが重くて疲れました。やっぱり気持ち良く歩くにはもう少し軽量なテントが欲しくなります。
シルバーウィークだったので覚悟はしていましたが、テント場はいっぱいで臨時の場所での設営です。一人で大きなテントは気が引けますし、到着が遅くなると場所の確保にも困ります。奥の笹薮の中に設営している人もいました。こういうことがあると、やっぱり自立式がいいかなと思ってしまいます。ヒルバーグからは、2016年にNiak 1.5というROGENを小型化したようなモデルが出るようです。ただ、重量はENAN(エナン 総重量1.1kg 非自立式)ほど軽量にはならず、前室もROGENほど広くないようです。
前回の立山から一ヶ月ほど後で、季節はもう秋といった感じでした。気になる夜ですが、やっぱり寒くて何回か起きました。しかし、前回と同じくシュラフの中はそれほど寒いといった感じではありませんでした。今回は夜にわりと風が吹いていたので、外気が室内に入ってきていたようでした。おそらく顔が冷たくて起きたのだと思います。また、シュラフカバーが結露でぐっしょり濡れていたのには驚きしまた。寒い室内と吐息の温度差でそうなったのだと思います。シュラフカバーの結露でシュラフも濡れてしまったので、ちょっと室内の温度が低すぎるんじゃないかとも思いました。でも室内の温度が上がればテント自体の結露が多くなるでしょうし…どちらをとるかということなのかもしれません。
朝起きると、テントの内側にかなり結露が発生していました。手で触るとけっこうな水滴になりました。フライの内側にも結露は発生していました。フライを揺らして落とすと、少しメッシュを通して入ってきます。
最後の夜はかなり寒くて、夜中に起きて薄手のフリースを着込みました。朝起きて外に出ると、なんと夜露が凍っていました。最初は出入口だけかと思いましたが、全体的に凍っていて、撤収に手間取ってしまいました。
【使ってみて その後…】
二回のテント泊で使ってみて、やっぱり常時メッシュの出入口は自分には寒いという印象です。着込めば身体は温かいのですが、顔が冷たくて起きてしまうようです。シュラフカバーの結露も気になります。どうせテント内に結露が発生するなら、もう少し暖かくしてもいいんじゃないかと…
そんなことから、メッシュパネルを覆うカバーを取り付けてみました。換気のため全部閉めることは無いと思いますが、メッシュの面積を調整することで室内の温度を調整できると思います。
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このテントの重量ですが、大雑把な体重計での軽量ですが、フットプリント、ポール、ペグ込みで2.4kg、フットプリント無しで2.0kgです。おそらく100g程度重めに計測されていると思います。
ヒルバーグのテントは収納サイズが大きいと思われるかもしれませんが、他のメーカーのようにぎゅうぎゅうに詰め込んでなくて、すごくゆったりしているので、けっこうコンパクトにすることができます。
ちょっと重めなので、個人的にはベースキャンプや比較的楽な山歩き用かなと思いますが、オートバイや自転車、カヤックにもいいかと思います。山でも他の荷物を軽量化して縦走に使いたいとも思いますが、カメラや三脚も持っていきたいので、なかなか軽量化は難しそうです。やっぱりENANが気になるなぁ…(^^)
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