富士登山に行ってきました。雨、霧、強風・・・
スイスでいくつかの山を見てきて、日本の山も知らなければと思っていました。
また、以前に骨折した足首の後遺症があるので、ハードなスポーツはやらないようにと思っていたのですが、動くうちにはやりたいことをやろうという考え方に変わってきました。
そんなことを話していたところ、今回の富士登山に誘われ、行ってみることにしました。
しかし、気になるのは6月にスイスで痛めた膝。
ゴルナークラートからツェルマットまで1500mくらい下ってきて、膝を曲げると激痛がするようになってしまいました。
今回は念のため、サポートタイツをはいて、足首と膝にはサポータをつけました。
そして、トレッキングポール(ストック)。
二本使いのトレッキングポールは登山もしないのに以前から使ってみたかったのです。スイスで膝を痛めたときはなにも持っていなかったので、かなり頼りにしていました。
今回のルートは富士宮ルートです。
当日(8/21)は朝から雨。
朝食を食べた後、みんな雨用のグローブを持っていなかったので、ホームセンターに寄ってゴム手袋を買いました。
食器洗い用のゴム手袋ではなく、作業用の大き目の手袋です。
軍手の上にこのゴム手袋をはめました。
袋に天下無敵と書いてあったこの手袋、今回の雨の登山では助けられました。これが無かったら、指が凍えて仕方が無かったことと思います。
駐車場に車を置いて、シャトルバスで五合目に向かいます。
五合目では、雨はまだ降っていませんでしたが、今にも降りそうな空模様。
レインウェアの上下を着ます。
この日のウェアは下着にファイントラックのフラッドラッシュ・スキンメッシュ。
その上に速乾性の長袖Tシャツ。
ボトムはサポートタイツの上に薄手のアウトドアパンツです。
ちなみに、レインウェアとザックは自転車用です。
五合目でしばらく身体を慣らそうという意見もありましたが、着替えと準備運動をして、ゆっくりと登っていくことにしました。
本格的な登山は初めての私はひたすら仲間の後をついて登ります。
しばらくすると雨が強くなってきて、霧も出てきました。
天気がいいと途中の山小屋などの目標が見えるけど、霧で見えないため、ペースがつかみにくいとのこと。
また、風も強くなってきて、吹き飛ばされるんじゃないかと思ったときもありました。
今回のために山登りの本を買って歩き方を勉強したつもりでしたが、登りでは傾斜がきついので、足首の曲がりがきつく、膝の裏も張ってきてしまいました。
なんとなく、がに股で歩いてみると、足首が楽で、あまりずるっと滑ることもなかったので、ほとんどそんな感じで登っていました。
ゴミが多いといわれる富士山。あまり見ないなぁと思っていたら、谷側にペットボトルがたくさん散らばっていました。
きっと強風で飛ばされてしまったものと思いたいですが、そもそもぺっとボトルを持って登ること自体に問題があるのかも・・・落とさなければ問題無いですが・・・
また、ビニール合羽らしきものも落ちていました。きっと強風で飛ばされたのでしょう。
当日もけっこうビニール合羽で登っている人がいました。
途中、寒くなってきたのと、お腹が減ってきたので山小屋で休憩しようと思いましたが、宿泊以外はやっていないとのことで入れてもらえず、昼食も無し。
有料トイレを使った後、フリースを着込んで出発しました。
初日は赤岩八合館で一泊します。
宿に向かって歩いていたら、向こうから歩いてくる人が話しかけてきました。
なんと、先ほど山小屋に電話を入れていたので、迎えにきてくれたのでした。
かなり霧が濃かったので・・・とのことでしたが、だんだん霧が晴れてきました。
「今日はキャンセルが多いので、広く使えますよ」とか、「晴れていればハイキング気分で登れるのに・・・」なんていう話をしながら歩いていると、山小屋に着きました。16時過ぎくらいでした。
天気はしだいに穏やかになってきて、山小屋からの眺めもよくなってきました。
夕食はカレーライス。食べ放題です。
昼食を食べ損ねたので、お腹ペコペコ。いくらでも食べられそうな気分でしたが、二杯でやめておきました。
夜になるとまた雨が強くなってきました。
登ってくる途中、少し頭痛がしたのですが、寝ているとだんだん頭痛がひどくなってきて、外の雨、風の音もあって、20分くらい寝ては起きるという繰り返しでした。
天気がよければ、御来光を拝む予定でしたが、寝る前に無理と判断。翌朝はゆっくり休んでから出かけることにしました。
私は頭痛のため、朝食はパス。途中で携帯食を食べることにしました。
きっと山頂付近は風雨がすごいため、一度は下山しようと決めましたが、だんだん風雨が穏やかになってきたため、山頂に向かう人が何組かいました。
山小屋の人も、危険ということはないと思うということだったので、私たちも山頂に向かいました。
途中、強風にふらっとしてストックで耐えたり、大きな岩の近くで休んだりしましたが、登るにつれて、風を避ける場所は少なくなります。
10時に山頂に到着。
浅間大社奥宮でお参りをして、最高峰の剣ヶ峰へ行こうと思いましたが、霧で見通しが悪すぎて、断念しました。
そして下山。
登りではそれほど遅くなかったのですが、下りでは一気においていかれました。
下りはテクニックがいるなと思いました。
帰りのバスもあるし、急がないとと思っていたら、だんだん頭痛がひどくなり、気分が悪くなってきました。
休んでいるとそのまま眠りたい気分ですが、どんどん体温が奪われていきます。
これはかなりやばい。「初心者」「無謀な登山」などという言葉も浮かび、最悪のコンディション。
それでも行かなければと思い、下ります。意識がはっきりしていないので、足元もふらつき、足首が捻挫しそうなことが何回かありましたが、登山靴のおかげでなんともなかったようです。
山ではすれ違う人と挨拶しますが、気分が悪くても笑顔を作って挨拶します。相手のことを考えても疲れた顔で挨拶したくないのです。我ながら、よくやっていると思いました。
最初は岩場でしたが、しだいに細かい溶岩石でずるずると滑るようになってきました。
転びそうになって、脛を岩にぶつけてしまったり、完璧に滑って転んだりもしました。
大きな岩もあるので、頭をぶつけたら大変です。ヘルメットがあってもよかったんじゃ無かったかと思ったほどです。
そんなことを続けているうちに、やや横向きに下ってみたら、靴底で大きめにエッジをかけることができるし、滑っても怖くありません。
慣れてきたら、かなりペースアップできました。
そんな下りが楽しくなってきたこともあってか、七合目あたりにきたら気分がよくなってきました。
山頂まではちょっとした頭痛ですんだのに・・・やっぱり高山病でしょうか?
体調が回復してからは淡々と下っていきましたが、スイスで痛めた方の脚のお皿の下がガチガチになってきました。
そして、激痛のあった箇所にいやな感触が・・・
これはちょっと、まずいなと思いながら下っていると、やがて五合目に到着しました。
気がついたら、脚はフラフラでした。
その後、御胎内温泉でリフレッシュしてから、食堂で食事をとりました。
翌日はすごい筋肉痛。
きっとまた膝が痛くなると思いましたが、大丈夫のようです。
やはりトレッキングポールのおかげでしょうか?
最初の本格的な登山(といっていいのか?)、ちょっとハードでしたが、それなりに楽しめました。
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